Yasu_umi’s (b)log

twitterに書くには長すぎる諸々

2022/03/05~2022/03/06 残雪期雲取山一泊鴨沢ピストン

雪山5回目、今回は初のテント泊。たまたま雪山テント泊デビューしたい方が見つかったので今回はなんとボッチではない。

YAMAPはこちら
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同行者である天重さんのまとめはこちら。僕がバテていて全く写真のない道中の様子が詳しく纏められており多謝。
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テント泊は2018年10月北岳以来2回目だが、あの時は自前のテントではなく同行者のテントに入れてもらったので、ちゃんとテントを担いで登るのは初となる。
てんくらはCだったが雨/雪はなさそうだったので決行となった。
初っ端から電車を間違えるガバをやらかし、バスが一本遅れてしまいスタートが30分遅くなってしまった。そして、鴨沢に着いたのが10時過ぎ。
この日の日の入りは1730頃なので、7時間ほど時間があった。全く間に合わなかったわけだが。
そんなこんなで、今回は特に初日の写真がほとんどない。時間に追われていて撮ってる余裕がなく、バテててやる気もなく、ずーっと樹林帯だったので見所もなかった。

1330頃、七ツ石小屋にて昼食を取った。
ここでは前日間に合わせて作った風防が大活躍した。


単純にお湯が沸くのが早い。風がなくても早い。
しかしまだ改良の余地は見つかった。この風防、火の調整ができなかったのだ。風防の内側は熱く、風防自体もチョー熱い。ということで次回までにはツマミ周辺を短くして取り回しを良くしようと思う。

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15時過ぎ。ようやく七ツ石山に登頂。
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雲取山への稜線歩きが始まる。

この辺から道の泥濘みが酷くなる。人が歩く山道は草が生えず雪が残りやすい。その雪が昼間の気温で解けてしまい泥濘み祭りだった。雪の少ない道をアイゼンを履いて歩くことの辛さを知った。

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七ツ石山から少し下りたところで遭遇した鹿。
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めちゃくちゃこっちを見てくる鹿。しかしこの距離で逃げないとは…
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17時過ぎ、小雲取山にて。気温が高くて水蒸気が多くぼんやりした山々。後ろにうっすら富士山。
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1720、雲取山山頂すぐそばの避難小屋が見える。夕陽に照らされる雪が美しい。
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同じ場所から夕陽方向、めちゃくちゃ眩しい。時間切れの予感。
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1730、雲取山避難小屋から振り返る。ぼんやりした空気。
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1740、雲取山登頂。景色は翌日に託すことにしてさっさと山荘を向かう。

この後、真っ暗な中雲取山を少し下り、1820雲取山荘到着。飲食物の販売はもちろん(有り難くコーラを買った)、水場は凍っていて使えないが山荘までボトルを持参すれば水をタダ分けてもらえる、トイレもタダで使用可能など至れり尽せりだった。そして、これまた山荘からスコップを借りてテントを張るスペースを整地するところに始まり小一時間ほどグダグダ。幕営はまだまだ熟れていない。

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結局竹ペグは購入しなかったので割り箸で代用してみた。
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地面は凍りついているため、雪の薄い箇所では掘り返した塊を圧雪して割り箸を刺すことになった。

テントに入ればそれなりに暖かいかと思いきやそんなことは全くなく、飯の準備中もインナー手袋は外せなかった。

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1930、ついに待ちに待った夕食の準備に入る。と言っても順番に鍋に放り込みつつ食べるだけ。

鍋が沸いてくるとテント内にも蒸気が満ちようやく手袋が外せた。しかし底冷えは相変わらずで、マット以外の部分に座るとすごい勢いでお尻が冷える。

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こんな寒いところで食えばどんな鍋でも美味いに決まってる。
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締めの饂飩。なぜ全粒粉にしたのか…というか多すぎてもう満腹で食べるのが結構キツかった。

結局2030頃までチマチマ鍋をつつきこの日の活動は終了。
テント内で充電できなかったモバイルバッテリーや山荘で購入し寝起きの水分にと少し残してあったコーラを体温で温めつつ、今回初導入したシュラフカバーに寝袋毎インして22時には就寝した。
この日は予報では風速15mほどとなっており、それなりにうるさかったがテントの中なら関係なし。疲労もあり爆睡できた。

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朝食後、テントの外にザックを放り出した一枚。まだ薄暗い。
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翌朝0530。ボチボチ荷物を片付けつつ日の出の気配。
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さらに何だかんだしてる間にどんどん太陽が昇ってくる。
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テント跡地。体温によってマットの跡が残った氷になっていた。
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昨晩撮り忘れた雲取山荘。山荘に宿泊された方々も続々と出てくる。

そんなこんなで0700頃山荘出発。

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昨日下った雲取山への道を登る。今日は寒く晴れているので見張らしへの期待が高まる。
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0730雲取山山頂到着。圧倒的見晴し。
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雪の富士山。陰影がくっきり見える。
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立川まで見えているらしい。ピントが…
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南アルプス方面。縦走が楽しそうだ。
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昨日は泥濘るんでいた雲取山から七ツ石山方面の道も完全に凍結。めちゃくちゃ滑るがアイゼンなどがあれば昨日より遥かに歩きやすい。

この後はピークを迂回しつつ樹林帯をひたすら下山。
まず初日は気にならなかった肩凝りが発生。今までほとんど肩凝りになったことがなかったためこれには驚いた。歩くのには支障はなかったが、あのままもう一泊して歩くとなるとかなりキツいだろう。縦走で複数泊するようになるまでには対策したい。
次に足の指の痛みだ。冬山用の固い靴だったこと、雪上ではなく土の上を下ったためかなりダメージがあったこと、スキー時に履くような超極厚の靴下を履いていたため指先に遊びがなったことなどが重なり指が終始圧迫されていた。これを書いている3月9日に至ってもまだ寛解に至っていない。靴を替えるか靴下を替えるか歩き方を変えるか…いずれにせよ残雪期の低山に冬山用の靴では二度と行かないだろう。


総評
初日に7時間もかかって雲取山荘に着かなかった理由は、主に3つ
1. 荷物がやはり重い。靴も重ければアイゼンも重い。
2. 行動食サボってバテた。
3. 初日は大変気温が高く、特に七ツ石山から先が大変泥濘るんでいた。

1について、道中のほとんどはアイゼンが必要なく、必要になった場所でも軽アイゼンで十分だったのが今回の山行だった。
軽アイゼンで良くなるとコバのついた冬山登山靴を履く必要がなくなり、トータルで片足1kgは軽くできるだろう。
さらに荷物だ。今回はテント泊ということもありテントと寝袋合わせて2.5kg程度、夕食関連で1.5kg程度と日帰り山行の倍以上の重量を担いでいた。
テントや寝袋は行く場所によって増えることはあっても今以上に減ることはないだろう。となると、やはり夕食1回のために1.5kgは今の僕の体力では多すぎるということになる。
2について、毎度のことだが、疲れてる時ほどさっさと歩きたい気持ちになって食べるのをサボる癖があることを矯正するのは難しそうだ。時間を決めて取ることにしたい。
3について、これはどうしようもない。強いて対策があるとすると軽アイゼンなら付着する泥の量が減っただろうということくらいか。
いずれにせよ、まず重い荷物を担いで歩くこと自体への慣れが不足していることは間違いない。

今回は初の冬山テント泊だったが、宿泊自体は概ね快適に過ごすことができた。キャンプ地が樹林帯で風が直撃しなかったおかげというのはあるだろうが。
スコップによる整地をしないとテントを張る場所が確保できないというのは盲点だったので、次回までに買っておきたいところだ。

また、谷川岳では水を雪から調達できたが、あれは積雪期の新雪がある樹林帯より上の山ならではであり、今回のように泊地が樹林帯でしかも残雪期だと雪が汚くそのままでは飲料としては使えないこともここにメモしておく。
今回新調したサーモスの水筒は大変保温性が高く今後も重宝するだろうが、ロードバイクで使っていたボトル(谷川での反省からハイドレーションではなくボトルにしてみた)は、2日目の朝山荘で貰った水が1時間半ほどで飲み口の中で凍りついてしまった。冬山での水分を何に入れて持ち運ぶのかは次回までの課題としたい。